第2回 中国株の特徴

第1回では中国株の魅力について取り上げたので、「中国株入門」第2回ではさらに中国株について知ってもらうために、中国株の特徴について取り上げたいと思います。日本の株式市場とずいぶん違う部分があるので最初はとまどうかもしれませんが基本は日本の市場と同じで両者の違いをしっかり把握すれば理解しやすいと思います。


中国株の種類
中国株を取引するに当たってまず知らなければならないのは市場の種類と特徴です。中国の株式市場には表1の通り、3つの市場8種の株式があります。この中で外国人(日本人やアメリカ人など)が取引を行うことができるのは上海B株、深センB株、香港市場のH株、レッドチップ、GEM、その他の6つです。さらに、取引できる株式でも上海B株は米ドル建てでの取引となり、深センB株や香港市場(H株、レッドチップ、GEM、その他)での取引は香港ドル建てでの取引となります。当然、円建てでは取引できないので円から香港ドル、米ドルに交換するにあたって為替手数料が発生します。為替手数料は証券会社によって異なってきますので詳しくは第3回で取り上げたいと思います。(取り扱い銘柄にも違いがあるのでそのあたりも第3回で取り上げます。)

表1 中国株の特徴と種類(2004/1/1現在)

市場 種類 通貨
銘柄数 時価総額
(億円)
特徴
上海 A株 人民元
756
40兆円
上海取引所で取引されている国内居住者向けの株式。
人民元立てで売買されているため、外国人は売買できない。
B株 米ドル
54
9000億円
上海取引所で取引されている外国人向けの株式。
中にはA株と重複上場している銘柄も存在する。(*)
なお、01年2月に中国国内の個人投資家にも解放された。
深セン A株 人民元
487
25兆円
深セン取引所で取引されている国内居住者向けの株式。
人民元立てで売買されているため、外国人は売買できない。
B株 香港ドル
57
8億円
深セン取引所で取引されている外国人向けの株式。
中にはA株と重複上場している銘柄も存在する。(*)
なお、01年2月に中国国内の個人投資家にも解放された。
香港 H株 香港ドル
82
2兆1180億円
大型国営企業が発行する株式で、香港市場に上場したもの。
鉄鋼、石油化学、インフラ関連など基幹産業が多い。
レッドチップ 香港ドル
71
2兆5,472億円
中国資本の香港企業のことで、構成銘柄にはハイテク企業が中心。
GEM 香港ドル
179
8,411億円
「香港版ナスダック」を目標に99年11月に設立された。
ベンチャー企業向けの市場である。
その他 香港ドル
706 - 個人がオーナーの完全な民間会社が発行する。
プライベートカンパニーの頭文字をとってP株とも呼ばれる。

*A株市場とB株市場に重複上場している銘柄の中には同じ株式でありながら、株価に格差が存在する銘柄もある。


日本の市場との違い
次に日本の市場との違いについてですが、香港市場(H株、レッドチップ、GEM、その他)ではストップ安・ストップ高といった値幅制限が存在しません。(なお、上海B株、深センB株については前日の終値から上下10%、ST・PT銘柄は5%という値幅制限があります。)
ここで、日本株にはないST株・PT株について述べたいと思います。ST(Special Treatment)銘柄とは2年連続の赤字もしくは財務内容などに以上がある銘柄、PT(Particular Transfer)銘柄とは特別譲渡銘柄ともいい、3年連続の赤字もしくは違法行為を行った銘柄をさします。
市場 銘柄種類 値幅制限
上海 普通株 上下10%
ST 上下5%
深セン 普通株 上下10%
香港 ST 上下5%
- なし
この制度の特徴はST銘柄に指定されて、翌年も赤字を計上するとPT銘柄となり、さらに翌々年(4年目)でも黒字復帰の見込みがなければ上場廃止となってしまうというものです。このST株・PT株は政府からの支援を期待した投機的な売買が行われ、乱高下しやすいのであまりお勧めはできません。

呼び値
市場 株価 呼値
上海 - 一律0.001米ドル
深セン - 一律0.01香港ドル
香港 0.010〜0.250(香港ドル) 0.001香港ドル
0.250超〜0.500 0.005
0.500超〜2.000 0.010
2.000超〜5.000 0.025
5.000超〜30.0 0.050
30.0超〜50.0 0.100
50.0超〜100.0 0.250
100.0超〜200.0 0.500
200.0超〜1000.0 1.000
立会時間
市場 立会日 立会時間 立会時間
(日本時間)
上海 月〜金 09:30〜11:30
13:30〜15:30
10:30〜12:30
14:00〜16:00
深セン
香港 10:00〜12:30
14:30〜16:00
11:00〜13:30
15:30〜17:00
売買単位                      
市場 買付 売付
上海 100株単位 100株単位
深セン
香港 2000株単位が多い
(銘柄により異なる)

また、成り行き注文ができないというのも中国株の特徴です。そのため、出来高の少ない銘柄ではなかなか約定することができないという場合がありえます。
立会時間に関しては日本と時差が1時間しかないため、国内株式投資をしたことがある方ならほとんど違和感なく取引できると思います。なお、会計制度の違い、A株B株統合問題、国家株放出問題、QFII、QDIIといった事柄については中国特有の問題の回に詳しく取り上げたいと思います。


中国株と日本株の違い

 ・指値注文のみで成り行き注文ができない。
 ・エイトテックルールが適用される。
 ・ストップ高・ストップ安がない。
 ・時価総額に大きな偏りがある。
 ・ST株・PT株が存在する

                                                                               

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